みなさん、こんにちは。Kenです。このブログでは「翻訳を学ぶ人のための“絶対外せない”ワンポイント英文法」と題して、英文理解の際に気をつけたいポイントをお伝えしていきます。
さて、今回は接続詞whereを取り上げます。
【例文】
That bark allows them to withstand the impacts of a fire where other trees often have not.
出典:Scientific American
(https://www.scientificamerican.com/article/meet-the-giant-sequoia-the-super-tree-built-to-withstand-fire/)
これはメタセコイアという木について書かれた記事で、その樹皮が断熱材の役割を果たすおかげでメタセコイアは山火事を生き延びてきた、ということを説明している部分です。
さて注目したいのはwhereです。みなさんならこの文をどのように訳しますか?(急がない方は読み進む前に実際に考えてみてください。)
これは関係副詞の「前置詞+先行詞」が省略されたものと考えることができる接続詞ですが、そこに思い至ったとしてもどのような日本語を当てるのがよいでしょう?(さらに考えてみましょう。)
「~するところに」「~するところで」という最も一般的な関係副詞whereの日本語ではしっくり来ませんよね。
ことわざの
Where there’s a will, there’s a way.
「意志あるところには道がある」
と同じwhere?と気がついた方は鋭いですね!しかし、このことわざのwhereは、直訳するならば「~する場合には」というような言葉が当てはまるように「条件」を示しています。それもどうも当てはまりません。
それではもう少し考える範囲を広げて、段落レベルくらいの広さで筆者の思考に寄り添ってみましょう。この文が含まれるあたりをもう少し掲載します。
Also, the specific adaptations in their bark, which is a natural insulator—that very thick and fibrous bark that can get up to two feet thick in some of the largest trees—it’s a perfect insulator. They’re super trees. That bark allows them to withstand the impacts of a fire where other trees often have not.
いかがでしょう?ここまで考える範囲を広げると
「のに」
などの言葉が当てはまるような
「対照」「対比」
を表していることに気付けるのではないでしょうか。実際に辞書を参照してみると、whereの「接続詞」の項目には「のに」という訳も載っているでしょう。(お手元の辞書を見てみましょう。)
whereのように馴染み深い言葉でも意外な意味を持っていたりするものです。意外な意味は自分の想像してないところに存在しています。従って謙虚に文脈を追ったり、辞書を調べたりすることが必要ですよね。
【訳例】
その樹皮のおかげでメタセコイアは火災の影響にも耐えることができるのであるが、このような樹皮は他の樹木には備わっていない。
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